
味わい、そして満ちて生きる
文化を次世代へつなぐ
蕎麦を起点に、人と地域、都市と一次産業をつなぎ、効率や便利さの中で失われがちな人間らしい豊かさを取り戻すことを目指しています。
好きという感情を原動力に、自然や文化との関わりを深め、一人ひとりが人生を味わいながら生きられる社会を築いていきます。
私たちが目指すのは、単なる経済的な豊かさではなく、人が心から「生きていて良かった」と感じられるような文化的な豊かさです。蕎麦は日本人の暮らしに寄り添い、食を超えて季節や風景、地域の記憶とともにあります。その蕎麦を起点に、人と人、人と自然、人と地域が交わることで、一人ひとりが自分らしく「味わい深く」生きられる社会を形づくりたいと考えています。効率や便利さの裏で失われがちな人間らしさを取り戻し、人生の実感を共有する。これがTsunagiの理念であり、すべての活動の根底にある想いです。
「蕎麦が好き」という
シンプルな想いが活動の源泉
けれどその偏愛は、人と地域、都市と一次産業をつなぐ大きな可能性を秘めていました。私たちは、消費者として関わるだけでなく、仲間として共に楽しみ、支え合う関係をデザインしています。一次産業の現場では担い手不足や高齢化が進み、地域社会の持続可能性が揺らいでいます。一方で都市の暮らしは便利さを手にした代わりに、自然や文化との距離が広がっています。Tsunagiは、この二つの断絶を「楽しいからやってみたい」というシンプルな動機で橋渡しします。ふとした好奇心から参加した人が、気づけば仲間となり、地域や農業を支える一員になっている。そんな共感の循環を蕎麦から育てていくことこそ、私たちのコンセプトです。
設立の経緯
Tsunagiの原点は、蕎麦をもっと身近に、もっと楽しく広めたいという気持ちから始めた取り組みは、やがて農家さんや地域との出会いを通じて大きく広がっていきます。
製粉の過程で大量に捨てられていた「ふすま」という副産物をクラフトビールにアップサイクルしたプロジェクトは、遊び心と社会課題解決を両立する試みでした。さらに、蕎麦畑を自分の畑として体験できる「蕎麦畑オーナーシップ制度」は、都市生活者と農業をつなぎ、農家支援や関係人口拡大につながりました。
蕎麦打ちと音楽カルチャーを組み合わせたイベントや、子ども向けの食育ワークショップも誕生し、蕎麦は単なる食材から「文化と未来をつなぐプラットフォーム」へと変わりました。偏愛が社会課題と結びつき、課題解決が新しい楽しさを呼び込む。この循環こそがTsunagiの歩みの証です。

活動内容

アップサイクル蕎麦クラフト
「ふすま」を活かした循環型クラフトビールで、飲むことが地域応援に。
Tsunagiの代表的な取り組みのひとつが、蕎麦の製粉過程で大量に廃棄されてきた「ふすま」を活用したアップサイクル蕎麦クラフト事業です。ふすまはこれまで価値が低く、飼料や廃棄に回されることが多かった副産物でしたが、私たちはそれを「資源」として再定義しました。アップサイクルによって生まれたアップサイクル蕎麦クラフトは、環境負荷を減らすだけでなく、「飲むことで応援できる」という新しい参加の形を実現しています。都市の飲食店で取り扱われることで、消費者は気軽に体験でき、同時に農家支援にもつながります。楽しみながら持続可能性に関わることができる──そんな循環型の仕組みが広がっています。
蕎麦畑オーナーシップ制度
畑を自分のものにして育て、収穫し、農家とつながる体験プログラム。
都市に暮らす人々が、農業と直接つながる仕組みとして始まったのが「蕎麦畑オーナーシップ制度」です。参加者は自分の畑を持つような感覚で、蕎麦を育て、収穫し、味わう体験ができます。この制度を通じて、農業は「遠いもの」から「自分ごと」へと変わります。オーナーとして畑に関わることで農家との交流が生まれ、一次産業の現場を知る機会にもなります。都市住民は自然のサイクルを感じ取り、農家にとっては支援者・応援者が増える。お互いにとってメリットがあり、農業の未来を共に支える仕組みとして広がっています。


カルチャーイベント・学び
蕎麦打ち×HIPHOPや食育ワークショップで、楽しく文化を学ぶ場を
蕎麦を単なる食としてではなく文化として楽しむために、Tsunagiはさまざまなカルチャーイベントを開催しています。その代表例が「蕎麦打ち×HIPHOP」という異色のコラボレーション。伝統と現代カルチャーを融合させることで、新しい世代に蕎麦の魅力を伝えています。また、子ども向けの食育ワークショップや、エシカルやサステナブルをテーマにした学びの場も展開。遊び心を持ちながらも、食や地域に対する理解を深めるきっかけを提供しています。こうした活動を通じて、蕎麦は「食べるもの」から「文化を共有するもの」へと進化し、世代を超えて人をつなげる存在になっています。
メディア発信
「そば色ノ日々」や「ズズズッRadio」で、人と地域の物語を広く届ける。
活動の根幹を支えているのが、ストーリーを発信するメディア事業です。Tsunagiが運営する「そば色ノ日々」や音声番組「ズズズッRadio」では、蕎麦に関わる人々の想いや背景、地域文化の魅力を掘り下げて伝えています。単なる情報発信ではなく、ストーリーを通じて共感を広げることを目的としています。記事や番組をきっかけに新たな参加者が生まれ、地域への関心が高まり、実際のプロジェクトへの参加や農家支援につながるケースも増えています。メディア発信は、仲間を増やし、共創の輪を拡大するための大切な手段であり、Tsunagiの活動全体を支える基盤でもあります。








